ゲーム実況専門のライブ配信サービスとして人気を集める「ミルダム」。
しかし、ミルダムでは「サイゲームス」のゲームタイトルが配信できないようになっています。
ゲームメインのライブ配信サービスで人気タイトルの配信が禁止されるのは大きな痛手となりますが、配信禁止の背景にはどのようなことがあったのでしょうか。
今回はミルダムでサイゲームスのゲームタイトルが配信禁止となった経緯について詳しくまとめていきます。
ミルダムでCygames(サイゲームス)のゲームが配信禁止で炎上!
ミルダムでは、2020年3月16日以降、サイゲームスが提供するゲームタイトルの配信が禁止されることが決定しました。
この件について各社の公式Twitterでは、以下のようにリリースされています。
当社は誠心誠意対応に努めて参りました。
しかしながら、本件はCygames社及びCyberZ社(OpenRec)の関係が主要因となり、交渉妥結には至りませんでした。Mildomはユーザーの皆様が他のタイトルにおいて、引き続き楽しく快適に配信・視聴できる環境づくりに努めて参ります。 https://t.co/bAiynylRlE
— 《公式》Mildom@新時代の生放送 (@Mildom_Official) March 13, 2020
ライブ配信プラットフォーム「Mildom」における、当社コンテンツを使った投稿・配信の禁止について | 株式会社Cygames https://t.co/rHSeJBC97R
— Cygames公式アカウント (@Cygames_PR) March 13, 2020
各社のリリース内容は以下のリンクから確認できます。
「ミルダム:配信・投稿ゲームタイトルに関するお詫びとお知らせ」
「サイゲームス:ライブ配信プラットフォーム「Mildom」における、当社コンテンツを使った投稿・配信の禁止について」
主な配信禁止の原因としてリリースされたのは「サイゲームスが提供するゲームタイトルがミルダム内で利用許諾がないまま投稿されていた」と発表されています。
また、配信・投稿の禁止だけでなく、画像投稿もNGになりますし、投稿済みのアーカイブ動画についても順次削除されるそうです。
しかし、ゲーム配信プラットフォームでゲーム会社が配信禁止を決定するのは極めて稀なことでもあります。
「シャドバ」「グランブルーファンタジー」などが配信禁止に…
サイゲームスが下した決定によって、ミルダム内で配信できなくなったゲームタイトルは以下の通りです。
- グランブルーファンタジー
- グランブルーファンタジー ヴァーサス
- 神撃のバハムート
- プリンセスコネクト!Re:Dive
- Shadowverse
- ワールドフリッパー
人気の高い「シャドウバース」やリリースされたばかりの「グランブルーファンタジー ヴァーサス」など、配信コンテンツとしての需要も高いタイトルが対象となっています。
ミルダムとしても痛手になりますし、ミルダム内でゲーム実況をしている方にとっても厳しい決定です。
ミルダムとサイゲームスの間で起きた経緯を解説!【※推測込み】
ミルダム内でサイゲームスのゲームタイトルの配信が禁止された理由としては、「正式な利用許諾がなかった」と発表されています。
しかし、サイゲームス自体自社のプラットフォームでしか使用を認めないというような方針を掲げている企業とはいえません。
実は公式発表されていないものの、ミルダムが行った「配信者の引き抜き」が配信禁止の引き金になったと噂されています。
そこで、ここでは推測も交えながら今回起きたミルダムとサイゲームスの騒動の経緯を詳しくまとめていきます。
サイゲームスはサイバーエージェントの子会社
経緯を整理するために、今回の騒動で関連する企業やサービスの関係性を大まかにまとめていきます。
まず、ミルダムは「Douyu JAPAN」が運営するサービスで、主要株主は中国の大手IT企業の「テンセント」です。
そして、今回の配信禁止を決定した「サイゲームス」は、日本の大手ネット企業「サイバーエージェント」の子会社です。
競合のオープンレックもサイバーエージェントの子会社
ミルダムにとってゲーム実況専門のライブ配信アプリとして競合となる「オープンレック」は「CyberZ(サイバーZ)」という企業が運営しています。
この「CyberZ(サイバーZ)」も、サイバーエージェントの子会社となっています。
まずは、この企業関係を抑えておきましょう。
ミルダムがオープンレックから有名配信者の引き抜きを行う
配信禁止の公式な理由としては「正式な利用許諾がなかった」とされていますが、噂によるとミルダムがオープンレックから有名配信者を引き抜いたことが直接的な原因といわれています。
ミルダムのリリース当初、オープンレックで実績を重ねた上位は配信者がミルダムに移行するという発表が相次いてなされました。
その中には、プロゲーマーのウメハラ氏も含まれており、大規模な「引き抜き」が行われたといわれています。
引き抜かれた上位配信者は20名近くに上り、視聴者数でいうと全体の3割近くがミルダムに流れてしまったと考えられます。
サイバーエージェントがミルダムに対応する形で配信禁止を決定?
ミルダムが行った引き抜き行為に対して、「CyberZ(サイバーZ)」と「サイゲームス」の共通の親会社でもあるサイバーエージェントが対応し、配信禁止が決定されました。
もちろんこの経緯は公式発表されてはいないものの、ミルダムの引き抜き行為に対する報復措置という見方が強いようです。
【2020年8月から】ミルダムで任天堂のゲームも配信停止に…
ミルダムにとっては2020年から逆風が吹き荒れる中、2020年8月20日から任天堂のタイトルも配信禁止となります。
任天堂に関しては「正式な利用許諾がなかった」ことが主原因とされています。
ミルダム内の配信規約と任天堂の利用規約に折り合いが付かず、配信禁止に繋がったようです。
ミルダムにとっては、「サイゲームス」「任天堂」と続け様に人気コンテンツを失った形になります。
ゲーム実況専門のライブ配信アプリとして注目を集めていただけに、これだけの問題が続くのは非常に残念です。
さまざまなゲームが配信禁止になったミルダムの評判
ミルダムでの配信禁止問題に関して、Twitter上では以下のような声が投稿されています。
サイゲと任天堂に名指しで自社コンテンツの配信禁止を言い渡されるサイトなんてミルダムくらいだろまじで
— 5億年20円 (@Cuve1ia) August 4, 2020
ミルダムはもはやオワコンやん。
サイゲだけならまだしも任天堂に拒否られるって…。— 真☆イケメン (@true_ikemen) August 4, 2020
ミルダムくん確か配信者引き抜き問題でサイゲームスも怒らせててサイゲのゲームタイトル全面配信禁止とかじゃありませんでしたっけ
任天堂ともこじれてるとは、もしかして人を怒らせる天才なのかな?— やわらからむにく (@tsujima_yawa) August 4, 2020
配信禁止という厳しい決定が下された割には、ミルダム側にも非が大いにあったため、同情を寄せるような声はほとんどみられませんでした。
ミルダムとサイゲームスの配信禁止騒動まとめ
2020年3月に決定されたミルダムでのサイゲームスタイトルの配信禁止に関して、以下のように整理できます。
- 表向きの理由は「正式な利用許諾がなかった」こと
- 実際は「ミルダムがオープンレックの配信者を引き抜いたから」という見方が強い
- オープンレックの運営会社もサイゲームスも「サイバーエージェント」の子会社
- 2020年8月からは任天堂のタイトルも配信禁止となる
さまざま事態や憶測が飛び交った今回の配信禁止騒動ではありましたが、ミルダムにとっては配信者・視聴者含め大きな痛手になるでしょう。